こんぴらさん参道(香川県 仲多度郡琴平町)

一生に一度はお伊勢さんとこんぴらさん

調査日 2015年2月

敬意と愛着をもって「こんぴらさん」と呼ぶ

金刀比羅宮(ことひらぐう)は、その名を呼ばれるよりはるかに「こんぴらさん」と呼ばれることの方が多いだろう。江戸時代から「一生に一度はお伊勢さん、こんぴらさんに詣でたい」というのが庶民だけでなく、日本人の夢でした。江戸から歩いて、約650kmのこの地は、そう簡単に詣でることは出来なかった。庶民の高嶺の花の存在であったことも事実、伊勢神宮の厳かな雰囲気と違い、ここはもっとカジュアルな雰囲気を醸し出す場所であり、そのことが愛称の「こんぴらさん」と呼ばれることが定着したことの理由だろう。もともと、関西の人は、○○さんと愛着をもって呼ぶことも多く、金刀比羅宮に対しても敬意と愛着をもって、呼び始めたことと思います。
この金毘羅さんは、海上交通の守り神として信仰されていて、船関係の絵馬なども多く飾られています。

うどんの発祥は金毘羅さん?

お伊勢さんと金毘羅さんは、いわば巡礼先メッカのようなところ かなりのお客様で賑わったそうですが、この二つとも「うどん」が有名なのは興味深いところでもあります。観光客をもてなす、さっと出せるというところでは、うどんは最高のおもてなしであったと思います。弘法大師(空海)は、この隣の善通寺の生まれ、うどんも弘法大師が作ったと言われていますが、どうでしょうか。かなり古い歴史書物にもうどんは掲載されていますので、古くから参拝客に振る舞われたと思います。いまでは、うどんは四国の名産品、香川県もうどん県とPRするようになりましたので、弘法大師の残した資産が、今も立派に利用されているという事ですね。
参道には、多くのうどん店が並びます、朝食にうどん、お昼にうどん、おやつにうどんと観光客の多くはうどん目当てに来られている人も多いようです。

香川の銘菓「灸まん」
参道には、灸まんの本店もあり、昔ながらの落ち着いた佇まいは歴史を感じ、足を踏み入れたくなる老舗の一つです。お皿の饅頭の下に敷き詰めた葉のことをお店に聞くと、「夏に庭で取れたアイビーの葉を敷いています、綺麗だし、防菌効果もあるし 喜んでもらえるのが嬉しい」とのコメントがありました。「灸まん」という銘菓の名前も至る所で目にしますので、「何故、灸まんなのですか?」とお聞きしました。 おかみさんが、「昔、ここでは旅籠とやっていて、旅の疲れを取ってもらうために、足に灸をする無料サービスをやっていました。その灸の形に似せた饅頭を作ったので灸まん。今では、旅籠はやっていませんが」というお話でした。商売の形は変われども、お客様をもてなす気持ちは変わらない良さがここにありました。こういう気持ちが生きているのが、金毘羅さんがずっと愛される理由だと思います。

石段は、どこまで続く

金毘羅さんの最大の特長は石段の多さ、足の弱い方にとっては少々辛い石段かも知れませんが、パワースポットの一つである金毘羅さんには、是非チャレンジしてもらいたいと思います。昇りだして、785段のところに御本宮があります、多くの参拝客はここで詣でて、帰り支度をされるようです。健脚の方は、さらに約600段進んで奥社までのコースになります。それぞれのスタイルに合わせてお参りされれば良いと思います。

中国からもいっぱいの観光客

おりしも中国の春節の時期にあたり、大変多くの中国人ツーリストが来られていました。家族連れが多く、子供さんも石段にチャレンジして、家族で力を合わせ参拝をされていました。テレビでは春節時期の中国人の爆買いの報道ばかりが目立ちますが、金毘羅さんにも来られ、日本の文化などに触れたいとされている人も多く、大変良い事だと思います。

こんぴら歌舞伎は、また大切な資産に

参道をわきにそれると通称「金毘羅歌舞伎」があります。日本最古の歌舞伎小屋として活躍していた「旧金毘羅大芝居(通称金丸座)」を改築移設したもので、当時は古い文化施設の改修という役目だけを果たしていた。そんな時に、NHKの番組で採り上げられることになり、歌舞伎役者が「改修して見学するだけでなく、ここで実際に歌舞伎を演じてみたい」という話になり、歌舞伎の実演が現実のものになりました。今でも、春には東京から、歌舞伎の有名人が演じ、四国の人の楽しみの一つになっています。昔のスタイルを大切にしているので、冷房の設備はないそうです、だから春にしかできないのですと関係者の方が語っておられました。文化資産は、建物自体も大変価値があるとは思いますが、このように使われてゆき文化が広く残ってゆき、街の活性化と市民の憩いになってゆく大変素晴らしいお手本なのではないでしょうか。

こんぴら狗のお話、日本人のやさしさを物語っています。

金毘羅さんでは、守り神として狗(犬)を祀っています。江戸時代の金毘羅詣では日本人の夢であり、そのために働くということもありました。しかし、運悪く体調が悪くなり、本人が旅に出れなくなったことも多く、その場合に犬に託したこともあったようです。犬の首には、「金毘羅さん詣での話とそれにかかる金銭」がかかっていたようで、それを見た旅人が、その犬を金毘羅さん方向に一緒に旅をして、また違う人が金毘羅さんにより近い場所に案内していったそうです。念願晴れて、犬が金毘羅さんを詣でることになり、それが終わり無事に病の主人の所に帰っていったというお話です。このことから、こんぴら狗ができ、今でもお守りに このこんぴら狗をあしらったものが大人気です。日本人のやさしさ、思いやり、親切なところが凝縮された話だと感じます。今の世の中とは ずいぶん違いますね。









R300P1030158.JPG階段の参道道
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