和三盆の老舗 香川県「ばいこう堂」さんの「昔ばなし」シリーズ
老舗は、伝統を守るだけでなく 伝統を拡げ、しかも長く続くように努力する。だから、伝統が受け継がれてゆくのではないでしょうか。

日本の伝統的な砂糖の製法「和三盆」 その伝統を時代に合わせ、未来も考える事は、「老舗の役割」なのでしょう。

DSCF9332_R.JPG「和三盆」という言葉はお聞きになった事はあると思いますが、日本の伝統的な作り方から出来た砂糖です。 本州で、砂糖が生産され普及したのは意外にも遅く、江戸時代の事でした。 それまでは、現在の沖縄や奄美大島などの気候の温暖な南西諸島で、黒糖を中心に砂糖が作られていました。 今でも、南西の島では「サトウキビ畑」が美しく、黒糖も見直されていますが日本の砂糖のルーツです。 この「サトウキビ」から砂糖を作る製法が、江戸時代に伝わり 当時の高松藩などが「財政の大切な基盤」として、この砂糖作りを奨励しました。同じ頃に、現徳島県も砂糖を奨励したので、今でも、和三盆の名産地としてこの二つの県はつとに有名になっています。 香川県の「讃岐和三盆」 徳島県の「阿波和三盆」と呼ばれ お互いに切磋琢磨されています。
「和三盆」の「和」は日本を表し、中国から入ってきた物を「唐三盆」と呼ばわれているそうです。
「和三盆」は、砂糖の製法ということだけでなく、それを日本の「和菓子文化」と融合させ、独特の「砂糖菓子」を作り上げてきました。材料としての砂糖、商品としての砂糖菓子も素晴らしいのですが、それだけでは伝統も長く受け継がれてゆく事は難しいと思います。

「砂糖菓子」に一工夫、 伝統の「昔ばなし」を融合させてゆく遊び心、子供さんにも大人にも関心を持ってもらい、コミュニケーションも広がる。

DSCF9315_R.JPG日本の市場にも、海外からの甘いケーキやクッキーやチョコレート類のような洋菓子類が入り、日本の伝統の和菓子も少し押され気味の所があります。 「和三盆」もその一つで、「知る人ぞ知る」的な位置付けになっていた事もあります。 日本の良い文化や、製品、技術などが本来持つ良さが充分伝わらないまま、海外からの商品や文化の流入に押されて消滅したり、または極度に減少したりする例は多く見る事が出来ます。 「和三盆」も、そんな一つに思われるグループに入っていたかも知れません。 しかし、香川県の老舗メーカーの「ばいこう堂」さんは、この「和三盆」の砂糖菓子に、少し面白い要素を加えて積極的に展開されています。今では、観光客にも人気があり多くのお土産品としても全国で楽しまれています。

その一つとして「昔ばなし」シリーズがあります。
日本の「昔ばなし」を、この砂糖菓子に加え「昔ばなし」シリーズとして、大変愛らしい独自の商品にしてお客様の絶大な支持を受けています。
日本に昔からあり、親から子へ伝承されていく文化の「昔ばなし」を この和三盆の砂糖菓子に上手く使われています。 砂糖菓子は、型を作って形を作ってゆきますが、この「昔ばなし」シリーズは 色々ある日本の昔話の主人公や脇役が、大変可愛く形になって商品になっています。非常に可愛くて、食べるのがもったいなく感じる程で、観賞用としても十分価値のあるものだと思います。

昔ばなしは、大人の人は誰しもが聞いたことあるストーリーですし、子供にも読み聞かせをした事もあるでしょう。 また、お子様なら、この商品を見て「欲しい」と関心も出てきます。大変幅広い層に、関心を持ってもらえる良いモチーフだと思います。 同時に、この商品を購入する事によって、もう一度親子の間で、「昔ばなし」を教えるきっかけになり、コミュニケーションも進むでしょう。
 昔話は、「悪い事はいけない、嘘はついてはいけない、正直に生きる」など、道徳を教える要素も入っていますので教育としても非常に大切な事が詰め込まれています。しかし、近年ゲーム機等の普及により「昔ばなし」を読み聞かせすることは、めっきり減ってきています。
日本の伝統和菓子の「和三盆」に、日本の伝統的な「昔ばなし」を入れて行く事で、両者の大切な要素が、受け継がれてゆきます。


老舗の使命感 それが伝統を受け継ぎ守り、拡大し、長く浸透させる努力とアイデアを生みます。

DSCF9318_R.JPG「ばいこう堂」さんは、香川県の「和三盆」の老舗、自分の会社やお店を守るということだけでなく、「和三盆」という「日本の伝統を守るという使命感」もお持ちになっていると思います。「伝統」に「進化」を加えて この和三盆を守り通しているように感じます。
老舗は、伝統の技術を守り続けるだけでは長きに渡り活躍することは難しいのが現状です。伝統の技術を守りながら、進化させてゆく向上心、伝統の商品をアレンジして、変わりつつある市場に受け容れ易くする柔軟なアイデアがなければ、老舗の役割は終わってしまいます。
この「ばいこう堂」さんのように、新しいアイデアを取り入れて、チャレンジしてゆくことで これまで「和三盆」を知らなかった方へも、「知ってもらうきっかけ」「買ってもらうきっかけ」になりますし、購入された方は 御家庭で「和三盆」に関しても、「昔ばなし」に関しても話題になり、また親子の会話を深くするきっかけにもなっていると思います。

古くからある「昔ばなし」というネタは、誰にでも平等にあるネタだと思います。しかし、それを積極的に取り入れて挑戦してゆくか、そのまま見逃すかは大きな違いがあります。 
「どうしたら もっと知ってもらえるか?」「どうしたら 買ってもらえるか?」「どうしたら 広がり長く利用してもらえるか?」を老舗の使命感を持って考えられて 挑戦された結果だと思います。