「ここまでやるか!」と驚く演出で五感を強く刺激され、記憶に強く残ったラーメン。 
鉄魂ラーメンの「一本気」さん(都筑区 モザイクモール内)

激烈な競争のラーメン業界だから出る「新発想」に脱帽

ラーメン店は全国に約4万軒があり、非常に熾烈な競争になっています。港北阪急2 (6).jpg
元々飲食業界は競争が激しいのですが、その中でも熾烈な競争という意味では、一番「激戦カテゴリー」になっていると思います。
激戦ゆえに、
①品質(味や魅力度)の戦いが激しい (味の追求、アイデアの追求)
②ノウハウのぶつかり合い(研究心、探究心と自信や店舗設計)
③サービス品質の向上
④顧客の満足度向上への姿勢と努力
が強くなり、それが長い期間の「ラーメンの人気」に繋がっている事は間違いありません。
多くの飲食店も物販店も「ラーメン店」から学ぶべき点は大変多くあるのではないでしょうか?

ラーメン業界を振り返ると
①黎明期    明治初期から戦後にかけて  屋台からラーメン専門の店舗に変化  札幌ラーメンや九州ラーメンなど
②定着期    戦後から昭和30年くらいにかけて この頃はまだ物資も乏しく、温かくて栄養があり、安い材料で人気になる
③発展期    チキンラーメン登場  1980年代に「豚骨ラーメン」などがブームになり、このころから「ラーメンブーム」が始まります。
④多様化期   90年代くらいから第2期ラーメンブーム
           この頃から色々な味の物が登場し、テレビメディアも積極的に採り上げ、ラーメン本も多数出版される。 鶏がらスープや
           魚介系など味も店主も個性が出てくる。 ラーメン専門のHPが出来るのもこの頃から。

港北阪急2 (13).jpgそういう流れがあり、ラーメン店は全国にどんどん個性的な味の物が多くなり、驚くような品質の向上に繋がり、ラーメンを楽しむ事が出来るようになりました。 
しかし、一旦人気が出ても同じ物が未来永遠に続くものでもありません。
大きな人気市場になったラーメンは、当然若いやる気のある人が、どんどん魅力ある商品を開発して新規出店してくることになります。
お客様も、新しい商品を「食べてみたい!」と思うし、テレビメディアも「新しい魅力」をどんどん採り上げて行きます。 だから そこには「切磋琢磨」があり、全体に「質が向上」して人気が継続してゆく市場に育ちます。

今回ご紹介するのは、非常にユニークで「演出もここまでくると凄い!」と思わせる一軒のラーメン店です。
このお店の名前は「一本気」(本店は江戸川区小岩) 都筑区モザイクモール5階の中にあります。
店舗のデザイン(写真)も大変個性的で、店主のやる気が充分に感じられる店舗デザインで期待感が膨らみます。
そして、店舗の前で目に入るのは「鉄魂いれろ!」のPOP看板でした。   

この「鉄魂」というのは、南部鉄でできた卵状の大きさの塊で、これを「つけ麺」のつけ汁の中に入れます。
つけ麺は、最初はだし汁も温かいですが、途中になると冷えてくるので味も落ちてくる。
それを再度、「熱くなった南部鉄の鉄魂」をいれることによって、つけ汁も熱くなり味を損なわずに港北阪急2 (16).jpg最後まで楽しめるために開発された物です。 しかも南部鉄は鉄分補給もでき健康にも良いし味も良くなるという事でした。
東北に、熱した石を入れて食べる鍋料理がありますが、それのラーメン版のような感じです。

この「鉄魂」を入れた瞬間に、つけ汁はぼこぼこと泡が立ち、つけ汁も熱くなり つけ麺をさますことなく美味しく頂く事が出来ます。
美味しく食べられるという事だけでなく、重要なのは、「鉄魂」を入れた時に泡が出てくることに驚くので「視覚」を、泡の音で「聴覚」も刺激し、風味が出てくることにより「嗅覚」も刺激します。 もともと美味しいつけ麺なので「味覚」も充分刺激していますので、これで「味覚」「視覚」「聴覚」「嗅覚」を刺激した事になります。

人間には「右脳」と「左脳」がありますが、食欲を刺激する右脳を刺激するのは「五感」が非常に大きな要素で、そのうちの四感(味覚、視覚、聴覚、嗅覚)を刺激するこの演出は、非常に記憶に残ります。
残る一つの「触角」は 触ることで増えますが「鉄魂」は熱いので触れません。(終わった後は触れますが)

これだけユニークで強く記憶に残ると、人は誰かに話したくなってきます。人に伝える行為(口コミ)が盛んになりますので 宣伝効果も高くなってきます。 ここに来た人が、「初めて見る演出」に殆どの方は驚き、記憶に強く残ると思います。

競争が激しい飲食業界、その中でもとりわけ熾烈なラーメン業界だからこそ、このような演出を生み出し港北阪急2 (31).jpg 味だけでなく「味+演出=魅力」として創り出したのだと思います。 また、誰もがやらないことをやるユニークさで、さらに印象の強い商品価値を生み出してきます。
一杯のラーメン、そこには「美味しく食べてもらおう」と思う気持ちと、「演出アイデア」発想に努力した店主の熱い思いがひしひしと伝わってきました。

小売市場も飲食、サービス市場も今の時代は「モノ余り時代」です。
昔のように、良い商品を並べておいて売れて行く時代は終わりました。 よい商品は当たり前で、プラスアルファが必要なのです、お客様にどう分かりやすく、どうすれば買ってもらえるようになるのか、それが「演出」です。
「商品」と「演出」があって、はじめて「魅力」に変わります。
是非 どう演出するかに時間と頭を使ってください。
参考例
最近見た演出型飲食
①プラネタリウムを見てゆっくり珈琲を飲む喫茶店 
  平日の3時頃でしたが、満席で入れませんでした。  (六角橋:珈琲 文明さん 写真)

②マジックを見ながら食事するレストラン
  横浜駅高島屋 地下

難しく考えなくても良いのです。
日本に昔からある「流しソーメン」も「演出」の良さが入っています。 
竹の上に流れてくるソーメンは夏にぴったりです。 ある居酒屋さんでは、流しソーメンをイベント的にやられていて人気です。
マグロの解体ショーも一種の「演出」です。 新鮮さを演出し、多くの人が寄ってきて購買意欲が増し六角橋 (302).jpgてきます。
貴方が、どこかで見た気にいった演出を、自分の商売の中に取り入れて行くことで、良い演出が出来る事もあります。決して難しいと考えない事が、「出来るか出来ないか」の鍵になると思います。

大切なこと
良い商品(品質や味、サービス)だけで「売れる」と思わないこと。
お客様が期待するのは、商品以外にもあるということ。
お店の努力には、お客様は気付いています。
「五感」を刺激することを考え チェックすること。
良い事は どんどん取り入れてゆくこと。