全国的に競争が激しいラーメン業界、人口8.1万人強の福知山市(京都)でお客様を引き付ける魅力と演出

「こういうお店は間違いなく流行る!」と確信できる。    つけ麺「ぐうりんだい」 京都府福知山市 
地域に根ざす考え方と姿勢、表現方法が素晴らしいと思います。

20121120福知山 (82).JPG京都府福知山市は、2013年夏の花火大会での事故、秋の台風時での水害等の悲しい事故で有名になってしまったが、古くは縄文時代の遺跡などが発見されたりして、当時の交通の要所だったようです。(今でも、大阪から延びる福知山線、京都から延びる山陰本線が交わる交通の要所) 
また、市内を一望する福知山城は、明智光秀が「丹波の国」を平定し、築城したもので 以来城下町として発展、京都の二番目に「市」として認められた地域の拠点です。
人口は、約8.1万人、このエリアでは最大の町ですが、車での移動が主流なので、駅前も以前のように活気があるわけではありません。
この駅前に、一軒の「ぐうりんだい」というつけ麺専門のお店があります。地域の人に来てもらい、固定化して、ファンになってもらうことの大切さを、この「ぐうりんだい」というお店は実践しています。ネットの評判も良く、「お客様を大切にするお店は、必ず流行る」ということを証明しており、その「大切な要素」と「表現」を紹介してゆきたいと思います。

店舗場所:福知山市駅前(駅前の駐車場前、目の前ですぐに分かります)

1 味良し 見た目良し 商品開発にも熱心

ラーメン店は、ブームが続くように競争が、飲食業界の中でも特に激しく、お店の味に対する切磋琢磨には、感心することしかりです。このぐうりんだいも、非常においしく、東京新宿や池袋などの激戦区で出しても、遜色ない味だと思います。味への期待に、応えるお店の努力姿勢は、高いレベルの合格点で、また食べたくなる味で予想以上に満足のレベルです。メニューにも、独自な物も多く、料理人の不断の努力を感じます。

2 「ぐうりんだい」気になる名前と印象付けと意味  地域に愛されるお店になろうとする姿勢を感じます。

「ぐうりんだい」という言葉は、落語の中でも有名な「寿限無」に出てくる「長寿の王様の名前」です。お客様の健康(長寿)を願って店主が付けたユニークな名前は、誰もが「何?」と思うに違いありません。また、お客様の事を考えて名前を付ける、姿勢にも「店主の地域に根ざしてゆこう」という気持ちが表れて、非常に共感します。その名前の由来通り、体に良いとされる食材を多く使い、不要な添加物は使っていないそうです。名前もユニークで覚えてもらいやすい、名前が「思い」を伝えていて 素敵なネーミングだと思います。

3 お客様の声を聴き、それをフィードバックして応える姿勢と表現

20121120福知山 (93)_R_R.JPG20121120福知山 (92)_R_R.JPGこのお店では「お客様の声を聞かせてください」とアンケート用紙を配布し、つけ麺の出来上がる前までの間に書き込めるようになっています。意見を聞くだけのお店は多いですが、このぐうりんだいでは、お客様から集まった声を、集めパウチした形でお客様にフィードバックしています。それも、パソコンで、打つのではなくお客様が書いた状態の物を、それぞれコピーをして張り付けて1枚の結果として表現しています。
アンケートだけを取るのも重要ですが、それをこのような形でフィードバックすることは、非常に大きな効果があると思います。また、筆跡もそのまま残り「生々しく見れるアンケート結果」には、お客様も「アンケートした甲斐を感じる」「自分が書いたものが、掲載されている」「書いたことが、実現されている」「真面目に、アンケートを捉えている」と多くのお客様が感じます。初めて入ったお客様も、このお店の「姿勢」を感じ、好感を持ち固定客の一歩になってゆきます。 「アンケート」を書いても、そのままでは意味がありません。アンケートに応えることと、「応えますよ!という姿勢」を見せることが大切なんです。アンケートは、お客様のご意見を聞くということ、聞くという事は要望に応えることなんです。お客様の声をもらい、一緒に成長してゆくことがアンケートだと思ってください。

4 親子が福知山について話せる写真掲載、地域に根ざす大切さ  食事は会話で、3倍美味しく感じる!
20121120福知山 (96)_R.JPG20121120福知山 (99)_R.JPGぐうりんだいの壁には、昭和30年代くらいの「福知山の情景写真」が飾られています。当時華やかだった、夏の盆踊り大会の様子、駅前の写真には、和服や割烹着姿で歩く女性が移っており、当時を忍ばせる貴重な写真が、飾られています。この写真は、50代、60代、70代の人にとっては大変懐かしく、地元の人たちは、一気に当時を思い出すことができると思います。ラーメンを食べながら、地元福知山の昔の事を、家族やお孫さん達と会話ができるきっかけを作れていると思います。会話のない食事は味気ない、しかし この写真の掲載によって、家族が一つのことに対して、話せることになるし、おじいちゃんやおばあちゃんが、孫に「昔の話」をしてあげる機会を提供してくれているのです。
会話が多い食事は3倍美味しくなります、食事には会話が必要なんです。 これが、昔のニューヨークの写真だったら、ただの飾りで意味がありません。地元に、根ざす強い気持ち、家族で楽しんでほしいと思う店主のやさしい気持ちだからではないでしょうか。

5 無料でも、大変おいしい「もやしナムル」は印象的  多くの人に食べてもらえる「無料サービス」だからこそ!
20121120福知山 (87)_R.JPGこのお店のサービスで、「無料のお変わり自由 もやしナムル」があります。この「もやしナムル」が 大変おいしくて、少し驚きました。東京あたりでも たまにありますが、どちらかというと「おいしくなくて、無味乾燥」 しかし、このお店の物は、大変おいしくてお変わりを何回かしてしまいました。「無料サービスだから」と思って、一生懸命にしない店主が多いのが現実、しかし「無料サービス」だから、多くの人が食べることが多い。「多くの人に食べてもらえる良いチャンスだから」と考えて作るかの違いが出ています。このもやしナムルを食べるだけで、店主が付けた「ぐうりんだい」の名前の意味を思い出します。無料でも手を抜かない、その姿勢が出ています。

6 店舗の演出も大切、会話が多くなれば美味しくなる。
20121120福知山 (106)_R.JPG20121120福知山 (119)_R.JPG今でも、有名ラーメン店で「会話ができないところ」もあります。店主が「気が散るから、美味しいラーメンが作れない」とテレビカメラの前で話す姿には、あきれを通り越し「滑稽」に見えてしまいます。そんな、ことで美味しいラーメンが作れないのは「プロ」ではないからです。食事は、たとえラーメンであっても会話しながら楽しく食べるのが本道で、その場を提供できない人は辞めた方がいいのです。むしろ、おとなしいお客様でも、会話が弾むように、お店が気を使い、演出してあげることが大切なのです。会話があれば、味は間違いなく美味しくなります。美味しいものを、さらに美味しく感じてもらえるように心がけるプロであってほしいと思います。
ぐうりんだいには、そんな会話が、弾むようなものがいっぱいありました。
20121120福知山 (103)_R.JPG20121120福知山 (91)_R_R.JPG全ては、店主の姿勢、それが現場のスタッフに伝染されてゆき、お客様に伝わってゆく、これが、地元を愛して、地元のお客様を大切にしてゆく「商い」ではないでしょうか。商いは「飽きない」とも言いますが、いつまでも、この姿勢が続いて、おいしいつけ麺を提供して、お客様の笑顔を増やし続けて欲しいと思います。


お店を開店した時は、誰もが「お客様の為に、美味しいものを 楽しんでもらう」という気持ちでスタートします。ところが、長年同じ場所で商売をやっていると「慣れ」「経験」を通して「惰性」というものが、徐々に支配してきます。 
「何故か、昔から同じようにやっているのに、お客様が来なくなってきた・・・」
経済が豊かになり、お店も増え、物も溢れる時代になると「それまでと同じことの繰り返し」では、お客様が離れてゆきます。
お客様が「選ぶ時代」になっているんです、これまでやってきたのは、間違いではありません。それでも、不振が続くのは「その価値が少しずつ、今のお客様の期待する価値」とのずれが出ているのです。
言わなくても分かってくれる時代は終わりました。思っていることを、どう表現してゆくかが問われています、アイデアはアイデア、それを具現化しないとアイデアで終わります。今の時代は、そのアイデアを、より効果的に表現するかの努力があるか無いかにかかっています。